「渓流釣りに興味があるけど、釣り方がわからない」
「渓流釣りしてみたいけど、どうすればいいの?」
といった疑問のお持ちの方へ、まずは渓流釣りの代表的な釣り方を解説。
さらに、その中から初心者の方でも釣りやすいおススメの釣り方を紹介します。
「釣りはしてみたいけど、近くに海がないから川かな?」
「キャンプ場の近くにあった綺麗な沢で釣りしてみたい」
といった方も、渓流釣りの魅力も合わせて紹介しますので、是非ご一読ください。
渓流釣りとは、いわゆる川の上流~源流で行う釣りのこと。
川の水は澄んでいて、山間ののどかな田園風景から、緑が茂る林道の脇の沢、大きな岩が露出した渓谷まで、どこで釣っても渓流釣りと呼ばれます。
たまに「それはまだ川釣りでしょ」とか「源流釣りというにはまだまだでしょ」とか言うベテランの方もいますが、気にしてはいけません。
ぶっちゃけ細かい区切りは人それぞれなので。
筆者的には川が綺麗で、ヤマメやアマゴが釣れる領域なら、それはもう渓流釣りです。
ちなみに渓流の大きな区分けとしては、山岳地帯の「源流」、沢ごとの「支流」、沢が合流し大きな流れとなった「本流」に分けられます。
渓流釣りの魅力
- 自然が綺麗
- 攻略する楽しさ
- 渓流魚が綺麗
- 釣り方が多彩
そしておススメする渓流釣りの魅力は以上の通り。
まず、渓流釣りの魅力はなんといっても自然が綺麗なところ!
有名どころの渓谷や滝でなくても、渓流の景色は綺麗です。
アウトドア好きでなくても、現地に行くとわかってくれるかと。
澄んだ水と空気。沢の水音と鳥の歌う声。木々の緑と岩と水流がつくる風景。
釣りあがる度に色々な表情を見せてくれます。
それが次から次へと出てくるのです。
自然を感じるためにキャンプへ行く人なら、この魅力をもっと味わえること間違いなし!
さらにこの自然を攻略して、次のポイントへ移動するのも楽しいのです。
もちろん自然の中なので危険もあります。
しかし「次へ安全に移動するためにはどの経路を通ろうか」、「でもその経路は魚に気づかれるんじゃないかな?」なんて考えて、安全と釣果を両立したルートで釣りあがります。
移動した先で思い通りに釣れた時は、ゲームを攻略したのと似た快感を覚えます。
しかも頭と体を使った分、快感も大きいです。
次に魚が綺麗なところも魅力です。
釣りをしない人は「魚が綺麗?なんのこっちゃいな?」となるかもしれません。
でもやっぱり、渓流で釣れる「渓流魚」は綺麗なんですよね。
どういうことかというと…海釣りをしているとたまーにグロテスクなものも釣れたりします。
別にギンポさんが悪いというわけではないんですよ。
高級魚ですし…
しかし、比べるとやっぱりヤマメさんたち渓流魚が綺麗ですよ。
ちなみにヤマメは「山女魚」と書き、渓流の女王なんて呼ばれたりもします。
魚体に映えるパーマークが見事ですよね。
渓流釣りの釣り方には餌釣り、ルアー、フライ、テンカラと、大きく分けて4つの釣法があります。
釣法自体は次の項目で説明しますが、同じ魚を狙うのに釣り方は色々あるんです。
つまり、自分に適した釣り方で狙えるという事。
虫エサが苦手なのに、無理してつける必要はないんです。
ロストが怖いのに、無理してルアーを投げ続ける必要もありません。
自分に合ったスタイルで楽しめるのが渓流釣りの魅力の一つです。
前述の通り、釣り方は大きく分けて4つの釣法があります。
- 餌釣り
- ルアー釣り
- フライフィッシング
- テンカラ
それぞれ特徴がありますが、共通していることもあります。
それは渓流釣りは「移動しながら釣る」釣りであること。
ルアーフィッシュの世界では「ラン&ガン」と言ったりします。バスケ用語にもありますね。
渓流では基本的に上流へ向かって移動するので「釣り上がり」といいます。
それでは、特徴をみていきましょう。
1.餌釣り
メリット
- 食いつきが良い
- ピンポイントで攻められる
- 他の釣法より安価
デメリット
- 射程が狭い
- 自身が魚に発見されやすい
- ゲーム性は低い
エサを針につけて食わせる釣り方ですが、ウキは使いません。
延べ竿の穂先に釣り糸を直結し、目印をつけた仕掛けを水流に流し込んで釣ります。
餌を水の流れに自然に漂わせることで、魚が食いつきます。
アタリは釣り糸につけた目印の動きで取るため、ウキは必要ないんですね。
ちなみに延べ竿とは、リールを装着せずに使用する竿のこと。
よって、リールも必要ありません。
たまに渓流でウキとかリールを使って餌釣りしているアニメとか見ると「違う!」とか思っちゃいますね。
活きエサを使うので当然食いつきも良く、魚が良そうな場所を点で攻めることができるので釣果が期待できる釣法です。
ただし、狙える範囲は竿の届く範囲に限られるため、射程が短い。そのため、魚にも発見されやすく、かくれんぼ要素の「木化け石化け」が重要。
射程が短いため、本流には不向き。
派生に竿を短くして取り込む提灯釣り(ちょうちんつり)があります。
2.ルアー釣り
メリット
- 射程が広い
- 線で攻めることができる
- チェイスが楽しい
デメリット
- 餌ほど食いつきは良くない
- 慣れが必要
- ロストが怖い
ルアー釣りは釣り全体でみても最もポピュラーな釣法の一つです。
小魚を模したルアー(疑似餌)を泳がせて、食いつかせる釣り方。ルアーを投げるため、それなり空間が必要で、障害物に弱い。
ただし、その分遠くから狙えるため、魚に自分がバレる心配は少なくなります。
また、ルアーを泳がせるため、水中を線で攻めることができるのもメリット。
狙ったところに投げること、魚に見切られることなくルアーを泳がせることなど、慣れと腕が必要になります。
ただし、投げるだけ、巻くだけなら、そう難しく無い為、入門の難易度は低いといった特徴もあります。
しかし、根がかりや枝がかりする危険性が高くなり、腕が低いとルアーをロストする可能性が高いのが難点です。
また、ルアーの種類やカラーを考えたり、泳がせる位置やスピードなど戦略も重要なため、ゲーム性が高く、人気も高いのも特徴です。
時にはルアーを追う、魚のチェイスが見えるため熱くなることができます。
さらには本流から源流までどこでも出来るが、源流域では狙えるポイントが減るのが残念。
3.フライフィッシング
メリット
- 射程が長い
- ゲーム性が高い
- 「ライズ」は興奮もの
デメリット
- 慣れと腕が必要
- 広い空間が必要
- 狙えるポイントが少ない
フライと呼ばれる羽虫を模した疑似餌を使う西洋から伝わった釣法。
ルアー釣りでは考えられない太く重量のあるラインを使用します。
先端に付いたフライを重量のあるラインで操作して、水面をフライでチョンチョンと跳ねるように触る。すると、魚が餌の羽虫が飛んでいると勘違いして食いついてくるという仕組みです。
魚がライズ(飛び跳ねて)して食いついてくる様は、興奮もの。
たまに、フライを水流に流すと食いついてくることも…
腕が上がるにしたがって、遠くの水面まで狙えるようになります。
ルアーと同じように腕が必要ですが、ライン操作そのものが難しい為、入門の敷居自体も高くなります。
さらには、ライン操作には障害物のない広い空間が必要なところも弱点といえます。
そのため餌釣りに比べ、狙えるポイントはかなり減ることになります。
その分、釣り上げた時の1匹の重みが違うでしょう。
渓流釣りの中で最もゲーム性の高い釣法と言えます。
4.テンカラ
メリット
- タックルがシンプル
- 勝負が短い
デメリット
- 射程が短い
- 慣れが必要
日本のフライフィッシングともいうべき釣法「テンカラ」。
テンカラも毛ばりを使いますが、最大の違いはリールがない事。
よってラインは竿+α分の長さしかありません。
そのため、テンカラは射程が短く、接近戦となります。
魚に見切られる前に毛ばりを操作して、水面を叩きます。
自身もフライも見切られる前に勝負を決めなければならないため、一発勝負の手返しの釣り。
実はルアー以上にランガンスタイルで、足と手数で釣る釣法。
川幅の狭い支流から源流向きとなります。
紹介した4つの釣法のうち、初心者におススメなのは「餌釣り」と「ルアー釣り」。
初心者におススメの釣法
- 餌釣り
- 活きエサで最も食いが良い
- 敷居が低い
- 最も安価
- ルアー釣り
- 本流から源流まで出来る
- 敷居が低い
- ゲーム性が高い
初心者にとって、敷居が低いのは重要です。
操作が難しくて、慣れる前に投げ出してしまっては意味ないですからね。
その点、餌釣りもルアーも敷居は低いです。
さらに餌釣りに関しては、唯一生き餌を使用する釣法のため、食い付きは最も良いと言えるでしょう。
特に解禁直後、ルアーやフライを追う体力の少ない時期は、魚に餌を流し込んでやる餌釣りは最も効果的です。
そんなわけで最初の一匹を容易に達成しやすいのは「餌釣り」で間違いないでしょう。
ただし、餌釣りはなんか「ジジくさい」と言われるもの確か…。
チェイスやライズが見られるわけでもないので、興奮度はイマイチかもしれません。
そんな方にはルアー釣りがおススメ。
多少の慣れは必要ですが、前述の通り「ただ投げるだけ、ただ巻くだけ」ならあまり難しくありません。
なんといっても、ルアーはゲーム性も高くスタイリッシュです。
多少空間が必要ですが、フライほどではありませんし、本流から源流までオールマイティに釣りが出来るのも強みです。
- 確実に最初の1匹を釣りたいなら、「餌釣り」
- ゲーム性の高い釣りをしたいなら、「ルアー釣り」
ちなみに筆者は川幅の広い支流では「ルアー」、川幅の狭い源流域では「餌釣り」と2刀流でやっていました。
実際に釣果は良かったです。
しかし、2つの竿を準備し、持ち歩くのが手間がかかり面倒。使ってないルアー竿を藪漕ぎで無くなしたなんてシャレになりませんし…
さらに次第に源流域にしか行かなくなったため、現在は餌釣りに絞っています。
自分が行く川に合わせて、釣り方を決めるのもアリといえばアリ。
ですが、自分が釣りでどんな楽しみ方をしたいかで、釣り方を決めるのが一番です。
とにかく釣って楽しみたいなら「エサ」。
フィッシングゲームを楽しみたいなら「ルアー」。
そんな感じで決めても良いのではないでしょうか。
あなたが釣りを楽しむための役に立てたなら幸いです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。