釣り初心者でも大物が釣れる-紀州釣りのススメ!

紀州釣りのススメ

大物を釣りたい!

初心者がサビキやちょい投げなどで釣れるようになってくると、「大物」を釣りたくなってきます。

これは釣り師の性みたいなもので、必ずと言っていいです。

そこで「港や岸壁から釣れる大物ってなんだろう?」と考え出すのです。

すると釣りをしている友達などから「シーバス」や「黒鯛」の名前が挙がってきます。

ここで筆者は「黒鯛の紀州釣り」をおすすめします!

この記事は「大物を釣りたくなった初心者」や「黒鯛釣りに興味がある人」に読んでいただきたい内容です。

紀州釣りとは

紀州釣りとはもとは和歌山県の紀州地方から広まった釣りで、江戸時代の紀州藩主が釣りを奨励したことが始まりと言われています。そのため「紀州釣り」と呼ばれています。

また、撒き餌をダンゴのように握って釣りをすることから、「ダンゴ釣り」とも呼ばれています。

紀州釣りのシステムは以下の通り。

紀州釣りのシステム
  1. サシ餌の付いた釣り針を撒き餌で包んでダンゴ状に握る
  2. ダンゴを海へ投入
  3. 海底に沈んだダンゴが割れる
  4. ダンゴから出てきたサシ餌を黒鯛が食べる
  5. 黒鯛が釣れる

撒き餌ダンゴは黒鯛を周囲から集める役割と、エサ取りの魚からサシ餌を守る役割、サシ餌を黒鯛のいる海底まで届ける役割があります。

つまりダンゴ1つで3役をこなしている、よく考えられた論理的な釣り方です。

紀州釣りのダンゴ材

シーバスより黒鯛を勧める理由

港などの身近で釣れる大物には、黒鯛の他に「シーバス」も挙げられます。

なぜ、筆者がシーバスより黒鯛を…しかも紀州釣りを勧めるのかというと、それは偏に「釣りやすい」からです。

シーバスと言うと「スズキ」の俗称で大きい物になると80cm以上になります。

ほとんどの釣り師がランガンスタイルのルアー釣りでシーバスを狙います。

しかし、黒鯛は釣り方が「ルアー釣り」だけでなく、「フカセ」「落とし込み・ヘチ釣り」「紀州釣り」など様々な釣り方があります。

様々な釣法があるため、自分に合った釣法で釣ることができるのです。

さらに「紀州釣り」は、その中でもルアー釣りのようにしゃくる技術は必要はなく、フカセのように潮の流れを読む必要もありません。

つまり、紀州釣りに必要な技術は奥は深いが、釣りが出来るレベルになるには難しくないのです。

そのため初心者にも大物が狙いやすくいというわけです。

紀州釣りのやり方

では紀州釣りとは、実際にどのような釣りなのでしょうか。

こちらは釣り餌メーカーの「ヒロキュー」さんの公式動画。

前半は紀州釣りや道具の説明、4分35秒からは釣り方の説明と実演になっており、とても解りやすいです。

是非ご覧ください。

ちなみにクロダイのことを「チヌ」と釣り人は呼んでいます。

紀州釣りの道具

以上のような道具が紀州釣りには必要です。

紀州釣りに必要な道具

釣具

  • 1~1.5号の磯竿(5m程度)
  • スピニングリール(2500~3000番台)
  • ナイロンライン(2号)
  • ダンゴ釣り用の棒ウキ
  • ウキスベイル
  • ウキ止め糸
  • ハリス(1.2~1.7号)
  • チヌ針(1~3号)
  • バッカン
  • 竿置き
  • 水汲みバケツ

  • サシ餌~オキアミ
  • 撒き餌~波止ダンゴチヌ

もちろん他の釣りでも使うタモやフローティングベストなども必要。

さらに、ダンゴ釣り用のヒシャクがあると、手投げよりも遠投できるようになります。

また、ダンゴ材となるの撒き餌は「マルキュー」さんの「波止ダンゴチヌ」がおすすめ。

初心者でも握りやすく練習にはうってつけのダンゴ材です。

ダンゴ材のオリジナルレシピを開発するまでは、これで間違いありません。

紀州釣りのダンゴとつけ餌

紀州釣りの釣り方

ダンゴ材の水分の調整

バッカンに入れたダンゴ材(波止ダンゴチヌ)に450~600mlの水を加え、手でかき混ぜていく。

少量の水を徐々に加えて、全体に馴染ませる。

円を描くように混ぜ合わせると良い。

ただし水の入れ過ぎに注意。

そのため筆者は計量カップを必ず持参している。

多少パサつく程度がベスト

ダンゴを握る

針につけ餌をつけたら、ダンゴ材で包み込むように握る。

イメージは丸いおむすび。ゴルフボールより多少大きく、テニスボールより小さい。

握る時は体重をかけてダンゴを締めてやる。

紀州釣りのダンゴを握る

握ったダンゴが腰の高さから落とした時、ヒビが入る程度がよい。

パサつき過ぎて、握れないようならダンゴ材に水分を足して調整しよう。

ダンゴを海へ投入

左手で竿を持ち、右手で握ったダンゴを海へ投入する。

投げた直後に竿を上にあおってやると、棒ウキがダンゴに近くに着水する。

黒鯛を寄せるため、ダンゴは毎回同じところに投げること。

同じところへ投げ続けるとこで、釣れるポイントが作られていく

そのため、動画では錘を使ったタナ合わせをしているが、筆者は最初からダンゴを使ってタナを合わせをしている。

タナ合わせ

ダンゴが着底したら、ウキとウキ止めの位置を確認して、丁度良い位置に調整すること。

これを「タナ合わせ」という。

目標は水面に棒ウキの頭が数cm出ている状態にすること。

ウキが見えなくなるまで沈むなら、ウキ止め糸の位置をハリスから遠ざけ長くする。

反対にウキが沈まず、ウキ止め糸まで距離があるなら、短くしてハリスへ近づける。

これを棚が合うまで、ダンゴを投げるたびにこれを繰り返えす。

初心者なら10投以内に調整できれば優秀。

ダンゴが割れるとウキが上がり半分ほど見える状態になる。

紀州釣りのタナ合わせと釣れる原理

タナが合うまで釣れることはないが、その間のダンゴで黒鯛が寄ってくるので無駄にはなっていない。

ポイントを作っているのでOK。

実釣

タナ合わせが終わったら、実釣。

ダンゴが割れて、その後1分程度待ってもアタリがなかったら、回収。

再度ダンゴを握って投入する。

ここでダンゴが着底してから割れるまでの秒数を数えておく。

港なら30秒~1分

エサ取りの多い磯場なら1分~1分半程度で割れる硬さでダンゴを握ろう。

遅あわせ

アタリはダンゴが割れた直後が一番多い。

まずはツンツンとウキが動く「前アタリ」が出る。

この時、黒鯛はまだエサをつついているだけ。

あたったら、すぐに合わせずグッと我慢。

その後ウキがズボッと沈む「本アタリ」がある。

この時、黒鯛はエサを飲み込み一気に泳ぎ出している。

ここでしっかりと合わせて、針を掛けよう。

これを「遅あわせ」という。

紀州釣りの前アタリと本アタリ
取り込み

クロダイをいなしながら、水面までファイト。

クロダイは水面に顔を出させ、何度か空気を吸わせたら大人しくなる。

それから焦らず、取り込もう。

紀州釣りに必要な技術

紀州釣りに必要な技術は主に4つ。

  • ダンゴの握り
  • ダンゴの投入
  • タナ合わせ
  • 遅あわせ

丁度良い硬さにする「ダンゴの握り」や、ウキ下の長さを合わせる「タナ合わせ」には若干慣れが必要です。

また、紀州釣りは浮きが完全に沈み込むまで合わせを待つ「遅あわせ」が基本。

しかし、他の釣りに必要な技術を身につけるよりは遥かに簡単です。

初心者に紀州釣りを勧める6つの理由

初心者に勧める理由
  1. 時合いに左右されにくい
  2. 投げたダンゴは無駄にならない
  3. 必要な技術が身に付きやすい
  4. エサ取りに強い
  5. 他人とポイント争いをしなくて良い
  6. 港や防波堤で大物が狙える

1.時合いに左右されにくい

紀州釣りは黒鯛をダンゴで誘き寄せて釣ります。

つまり、誘き寄せられた黒鯛は元々食い気のある個体ばかり。

朝まずめ、夕まずめといった、時合いに左右されにくい釣法でもあります。

朝まずめ

2.投げたダンゴは無駄にならない

初心者の内は失敗は多いもの。

紀州釣りの失敗はダンゴ関連が多いです。

握りが足りず、ダンゴが早く割れすぎるとか、空中で爆散するとかですね。

中でも多いのはタナが上手く合わせられない事。

ですが、タナ合わせに使ったダンゴ材は、結果的にクロダイを寄せる撒き餌となります。

紀州釣りのダンゴは10投使おうが、20投使おうが、無駄にはなりません。

3.必要な技術が身に付きやすい

紀州釣りに必要な4つの技術。

ダンゴの握りは奥が深いですが、海底まで着いて30秒も持てば最低限の握りはできてます。

投げるのも手で投げる分には難しいことはありません。

タナ合わせも、慣れの問題。慣れれば5投くらいで出来るようになります。

遅あわせは我慢するだけ…

紀州釣りの技術は奥は深くても、釣りが出来る一定レベルを超えることは難しくはないんです。

4.エサ取りに強い

エサ取りに悩まされないのは、紀州釣りの大きな利点です。

クロダイを狙う最もメジャーな釣法「フカセ釣り」。

こちらは柄杓で巻いた撒き餌の中に本命のサシ餌を紛れさせる釣法。

エサ取りのフグ

その特性の為、アジやフグなどのエサ取りがこれでもかというくらい沸いて出ます。

必然的にエサ取りをどうかわすかという戦いになります。

しかし、紀州釣りはダンゴに守られて、つけ餌は黒鯛のもとまで届きます。

特にエサ取りの多い夏~秋にかけては、紀州釣りの独壇場でしょう。

5.他人とポイント争いをしなくて良い

この港ではあのポイントが1級ポイントなのに…

と、他の釣り師にポイントをとられていて、悔しい思いをしたことありませんか?

そんな思いをしなくて良いよう、釣り師は朝早くから起きて釣り場へ向かいます。

しかし、紀州釣りは違います。

釣るポイントもダンゴを同じところへ投げ続けることにより、自分で作り出すことができる。

つまり他人とポイント争いをする必要もないのです。

時合いにも左右されにくい為、他の釣法より時間や場所に縛られません。

堤防での釣り

6.港や防波堤で大物が狙える

紀州釣りはメインの釣り場が海底が砂地の港や防波堤になります。

海底を狙う性質上、磯場は岩や海藻に引っ掛かってしまいますからね。

逆に言えば、港や防波堤で黒鯛が狙えるという事。

しかも港で出来るという事は、わざわざ危険な磯場へ苦労して行く必要もないわけです。

つまり車が横付けできる港で、昼から現地入りして楽々と黒鯛釣りが楽しめます

まとめ

いかがでしたか?

以上の理由から、紀州釣りは初心者向きの「釣りやすい」釣りだと言えます。

しかも、黒鯛は一度寄せると、まとまって釣れることも多くあります。

海中にたくさんのチヌ

特にフカセ釣り師は、紀州釣りではあまり大物は釣れないという人もいます。

しかし、紀州釣りでも30~40cm程度のサイズは釣れますし、磯場では40cmオーバーも期待できます。

紀州釣りは手でダンゴを握るため、釣具はある程度汚れてしまいます。(ダンゴ材の水分をパサパサに調整すれば、汚れは少なくできますが…)

それさえ許せるのなら、紀州釣りはおススメです。

「初めての黒鯛」を狙うには最適な釣りと言えるでしょう。

あなたも身近な大物「黒鯛」を紀州釣りで狙ってみませんか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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